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マイルスデイビス 「パンゲア」

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「パンゲア」は好き?
マイルスの話をしていて、いきなり「パンゲア」の話題にはまずならない。
 
パンゲアの話題は相手が、どんなマイルスが好きなのか?の探り合いから初めて、じっくり時間をかけて、
最後にパンゲアについて語るのが、通常な「マイルス会話」の進行形態なのであり、
いきなり「パンゲアが好きか?」と言う問いは失礼千万である。
 
それはね、
マイルスが長年に渡って築き上げたマイルスの終着点にいきなり、
話題を持って行くようなもんだからである。
 
わたしはとっても好きです。と思っていても、「ハイ」って素直に返答できないのが「パンゲア」。
 
このパンゲア、
マイルスの最高傑作であると私も思う。
んだけど、
素直に「好きです」と返答出来ない。のは何故かと言うと、
「ちょっとその前に話すことがあるでしょ」と言うのが本音。
と言うことで、パンゲアについては怖くて話題に出来ないんだけど、
無理を承知でいきなり、本題に入っていきます。(アセアセ^^;)
 
1975,2,1 大阪フェスティバルホール 第2部
3回目の来日の中盤。
マイルスバンドは余裕の第1部を終え、夜の部。
この第2部の演奏は異様だ。
ほとんど打ち合わせなしの曲進行。しかも「曲」らしい曲は演ってない。
確かに演奏はしている。「ターンアラウンドフレーズ」だったり「イフェ」「フォーデイヴ」のフレーズは出てくる。
ノンストップで100分を超える演奏だ。
クラッシックの演奏会のようなスタイルなのだけど、
フリーフォーム。
 
フリーフォームでここまで昇華したジャズバンドは今まで居ただろうか?
「居ないですぅ♪」
「ハイ、居ないですね」
「同感です♪」
「私もそう思います。」
と言う会話に行きつくまでは長いマイルス論を語らねば行きつけない会話であり、
またジャズの歴史も多少、包含しないとこの「パンゲア」には語ることは出来ないんです(^^;
 
 
それで「パンゲア」はそんなに凄いのか?
 
凄いです。
マイルスはもちろんリーダーなのだが、
ソニーフォーチュン、ピートコージー、マイケルヘンダーソン、レジールーカス、ムトゥーメ、アルフォスター
誰もが展開次第で攻めてくる。
もちろん、終始攻め続けることは出来ないので、守りもある。
イジイジして、展開が行き詰まり気味の時もある。
けど、これがマイルス「パンゲア」の醍醐味であり、このイジイジ状態が凄いと思うか否か?
ノンカット編集無しのマイルスバンド。
この件については、日本のソニーに大感謝を述べねばならない。
当時、日本限定発売で欧米未発売。
 
この快挙は世界に褒められてよろしい行為だと断言できると思う。
この録音が無かったら、マイルスの帝王伝説の半分が埋もれてしまう。(大袈裟か?)
よくぞ、ソニーよ、1975.2,1,大坂フェスティバルホール第1部、第2部を
録っていてくれた。
私たちがこうしてマイルス帝王伝説を語ることが出来るのは、この日の録音があったこそであり、
ちゃんと公式盤として発売してくれたことに感動すら憶える。それもノーカットで!!
 
今まで、マイルスの公式盤はテオマセロなるプロデューサーが勝手に編集したものばかり聞かされて来た。
ゆえに、私たちは本来のマイルスがフリーフォームバンドであることを知らなかったのである。
もちろんテオの編集もそれでも一級品だったげれども、
何と言ってもノーカットをそのまま発売したソニーの英断は凄い!
 
パンゲアは日本のマイルスファンが発売させた。当時のスイングジャーナル誌の児山紀芳氏の貢献も大きい。
 
「アガルタ」に続き、日本のソニーが、
「パンゲア」まで発売した意義はとてつもなく大きい!
 
と言うことを私は声を大にして言いたいのであります^^;
 
日本のジャズファンは凄いです。
 
イメージ 1
パンゲア。
横尾忠則氏デザインのジャケットで、日本ソニーが相当金をかけていた心意気も素晴らしい!
 
※第1部を「アガルタ」。第2部「パンゲア」
両方合わせて「アガパン」と呼ばれてます。
 
 
 
 

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