写真左 名演「プラグドニッケル」 右 こちらも名演「アガルタ」
アガルタはプラグドニッケルか?
泣く子も黙る黄金のクインテット「プラグドニッケル」
対するアガバンバンド「アガルタ」
なんで、この2枚を比較するの?
「同次元で語れるブツではないでしょ!」と仰るのは良く分かります。
何故なら、それが正しいジャズファンであるからです。
なので、そう仰ることに特に異議はございません。^^;
んでもね。
マイルスにとって両者はあまり違いはないのだろうな。と思う。
どちらも、マイルスがステージ完成度の高さとファンサービスを提供すると言う意味において、
その本質はあまり変わりはない。
メンバーはプラグドニッケルもアガルタも、
完成されたメンツであり、ツーと言えばカーと答える隙のないメンバー。
フリーフォームでありながらも、統制が保たれており、どんなハプニングにも対応可能。
完璧な「危機管理体制完成バンド」だったと思う。
そんな黄金のクインテットとアガバンバンドがファンサービスをとことんやったらどうなるか?
プラグドニッケルとアガルタになるわけですよ。
「安心して聞いてください。時々変なことをやるけど、決して期待は裏切りません。」
と言うサブタイトルを付けたくなるんだよね♪
マイルスの完成形はきっとファンサービスなんだろうな。
色んな試みをやってみたものの、最終的にはファンサービスのエンターテーナーなんだろうと思う。
だけど、そににすぐ飽きてしまうのもマイルスで、
完成させるとすぐ解散したり、活動停止してしまうんだよね。
黄金のクインテットって、特に解散理由はなかったように思うんだけど、
「熟成し過ぎると腐敗する」の如く、
さっさと次の段階を目指すんだよね。
一言で言えば「後戻りしない」と言うことになるんだけど、
再度、別のものを完成させるって、凄いパワー要るし、まして誰もやってない所を
目指しているのだから、相当なアイデアと溢れるような才能が無いと無理です。
当然、失敗もあったし、停滞もあったんだけど、
エレクトリックに移行してから、
やっと73年になってマイルスが鍛えた育成枠の選手が一人前になるわけですよ。
そして75年。
完璧にマイルスの意のままに働くバンドに成っていくんですね。
それが75年アガバンバンド。
もうこのバンドは黄金のクインテット同等の働きです。
そんな帝王が、ここぞとばかりに日本公演でブチかますのが、
「アガルタ」
1975,2,1 大坂フェスティバルホール第1部。
ま、ソニーフォーチュンと言う新顔は居たけど、他のバックメンがもう完璧だから
何をやってもマイルスサウンドに成ってるしね。
ソニーフォーチュンだって頑張ってる^^
その後、75年夏を最後にマイルスの体調不良のため長期休養に入り、アガバンバンドは活動停止する。
もし、アガバンバンドが活動停止しなかったらと言う問いがあるとすれば、
「必ず解散した」と言おう。
たとえマイルスの健康に問題なかったとしても。
アガバンバンドはこの日本公演で終わっていたと思う。
黄金のクインテットがプラグドニッケルで終わっていたと同じように。
「アガルタ」はマイルスファンのファンサービス全開ライブです。
第2部「パンゲア」が異様なテンションを見せるのは、第1部「アガルタ」でファンサービス全開後の
公演だから、成し得たものと想像しております。
※日本のソニーが発売した「アガルタ」超かっこいいですね♪